顔は結果。身体が原因|身体学で考える美容と不調の土台


「小顔になりたい。」
「フェイスラインをすっきりさせたい。」
「食いしばりを改善したい。」
私のサロンには、このような悩みを抱えた方が多く来られます。
しかし、私は最初に顔へ触れることはほとんどありません。
まず見るのは、立ち方です。
足の着き方、重心の位置、歩き方、呼吸、肩や首の状態、そして舌の位置や口の使い方まで確認します。
それは、顔だけを見ても、本当の原因は分からないからです。
私はこれまで多くの身体を見てきました。
その中で確信したことがあります。
顔は身体の状態を映し出す「結果」であるということです。
例えば、長時間のデスクワークで猫背になると、頭は前に出てしまいます。
頭は約5kgあると言われています。その重さを首だけで支え続ければ、首や肩の筋肉は緊張し続けます。
すると呼吸は浅くなり、横隔膜は十分に働けません。
呼吸が浅くなると、身体は無意識に歯を食いしばりやすくなります。
食いしばりが続けば、あご周りの筋肉は硬くなり、エラが張ったように見えたり、フェイスラインがぼやけたりすることがあります。
さらに血液やリンパの流れも滞り、むくみやたるみにつながることもあります。
この一連の変化を見たとき、原因は「顔」ではありません。
姿勢や呼吸、身体の使い方が積み重なった結果として、顔に変化が現れているのです。
だから私は、顔だけを整えるのではなく、身体全体を整えることを大切にしています。
もちろん、顔への施術にも意味はあります。
ですが、その場で変わっても、原因が変わらなければ、時間とともに元の状態へ戻ってしまうことがあります。
本当に目指したいのは、一時的な変化ではなく、戻りにくい身体をつくることです。
そのためには、原因を探す視点が欠かせません。
姿勢。
呼吸。
口腔機能。
栄養。
生活習慣。
これらはそれぞれ独立しているように見えますが、実際にはすべてがつながっています。
一つを変えれば、別の場所にも変化が生まれます。
だからこそ、この教科書では顔だけではなく、身体全体を一つの仕組みとして学んでいきます。
今日、覚えていただきたいことは一つだけです。
顔は結果。
身体が変われば、顔は変わる。
この一文が、この教科書全体を貫く考え方です。
次回は、「なぜ私は顔ではなく身体を見るのか」について、一緒に考えていきましょう。


